2021.07.15
財団法人 東京顕微鏡院 食と環境の科学センター
環境検査部 技術部長 瀬戸 博
新議員会館でシックハウス症候群が発生したというニュースは皆さんご存知の事と思います。
東京新聞の記事(2010年8月4日付)を見るとポイントが2つあることがわかります。
まず、参院側は、桜井氏らの問い合わせに「国の指針値を超える濃度の化学物質は検出されていない」と説明・・・という部分、もうひとつは、「シックハウス問題は終わったように言われるが原因は多岐にわたっており、患者は増えている」という化学物質過敏症支援センター(横浜市)の広田しのぶ理事のコメントです。
国の指針値を超える濃度の化学物質が検出されていないのになぜシックハウス問題は終わらないのでしょう。そのひとつの原因として未規制物質が高濃度に室内を汚染している可能性があります。現在、一般的に行われている測定は国が指針値を示している物質のみにとどまっていることがほとんどです。
これでは未規制物質の挙動は見過ごされてしまいます。多くの未規制物質の中には、シックハウスの原因となる物質が含まれているため、厚生労働省および建築学会は総揮発性有機化合物(TVOC)濃度の目標値または学会規準を示しています。
当科学センターでは、指針値物質+TVOCを組み合わせた測定メニューを推奨しております。TVOC濃度を把握する事により、未規制物質の挙動を確認する事ができ、その濃度を低く抑える事でシックハウスのリスクを低減できるのです。
シックハウスのリスクを低減するためには従来の指針値物質のみの測定では不十分であることを今回の事件は示しています。
是非、この機会にTVOCを測定メニューに入れてみてはいかがでしょう。
詳細は下記までお問い合わせください。