2014.10.24
平成26年10月24日
一般財団法人東京顕微鏡院
当財団食と環境の科学センター(東京都)は、平成26年8月18~19日、岩手県宮古市の地域復興マッチング「結の場」HACCP研修会(主催:復興庁・(一財)東京顕微鏡院・宮古商工会議所) に講師を派遣し、希望のあった地元水産企業10社11名の方たちを対象に無料セミナーを開催しました。
第一部「食品衛生の基礎知識」では、「衛生管理は企業の生命線」と前置きし、二ツ栁裕隆講師(同財団食品安全サポート部、(社)大日本水産会HACCP講習会受講修了者)が実践的な知識として、食品衛生の目的、代表的な食中毒菌と食中毒予防の三原則、身だしなみや正しい手洗い方法、施設・設備の5S管理、食品の取り扱い方法(受入、保管、製造)、異物混入の防止対策、社内スタッフの食品衛生の教育方法に至るまで、豊富な経験やデータに基づき伝授しました。
続いて第二部では「水産食品で問題となる危害要因と対策」と題して、伊藤 武講師(同財団理事、獣医学博士)が、水産食品のさまざまな危害要因(化学的、物理的、生物的)と生産現場から食卓までの各プロセスで衛生管理を行うHACCPの考え方を説明しました(写真)。わが国の食中毒の動向を踏まえ、水産加工食品で起こる様々な食中毒の事例と対策を網羅する充実した講義内容に、参加者から、「非常にわかりやすかった」との言葉が寄せられました。
更に、希望した企業には、加工場視察と衛生管理の個別相談を無償で行い、実践に役立つ、自主的な衛生管理向上を支援しました。
東日本大震災から3年半が経過し、復旧が進む一方で、未だに多くの被災地域企業は自らの努力では解決できない様々な経営課題を抱えています。東京顕微鏡院では、復興庁地域復興マッチング「結の場」の趣旨に賛同し、公益事業として平成26年12月以降も「結の場」ワークショップに参加し、希望企業を対象にセミナー、個別相談会を無償で開催し、人材育成の一翼を担うことで被災地域の復興を支援してまいります。
今年創業123周年の東京顕微鏡院は、食品衛生法による厚生労働大臣登録検査機関です。HACCP・食品衛生相談に経験豊富な専門者を擁し、企業・団体等の衛生管理に貢献しています。
当財団の専門者が受講しているHACCP講習会